最後の女、最後の恋。 そして人生最後のプロポーズ。


立ち入り禁止ゲートを抜けて、重いドアを開けた。

そこには今の俺の心を表したかのような、夏のわりには灰色の空が広がっている。

「新条先輩?来てくれたんですねっ♪」

少し目線を落としたところには、俺が苦手なタイプの女が立っていた。

うちの学校は上履きの色が学年ごとに決まってるんだけど、この女は一年。

一年のくせにスカート短すぎだし、髪は金髪、化粧もやりすぎってぐらいしてる。

目なんか真っ黒だし。

俺が生徒会だということを知っているのだろうか。

まぁ注意はしないけど。

あんまり関わりたくないし。