最後の女、最後の恋。 そして人生最後のプロポーズ。




『ん。あ、多分来たかな。』

廊下から足音が聞こえる。

多分親。


「あら、なぎささん、久しぶりね。」


先に入ってきた母さんは息子の俺よりも先になぎさに話しかけた。

なぎさは小さく、お久しぶりです。あの時はありがとうございました、と一礼した。

「一度会いたいと思ってはいたがまさか病院で会うとは……はじめまして。静の父です。」

残念そうに、でも笑顔でなぎさと接してくれた父さん。



「調子どうだ?」