最後の女、最後の恋。 そして人生最後のプロポーズ。



「うん。どうしたの?」

『ごめんな……俺、入院することになった……』

なぎさからの返事は返ってこない。

俺もなんて言っていいかわからない。



「大丈夫……?」

心配そうで、少し鼻声のなぎさ。


『俺は大丈夫なんだけど、医者が強制的に……』


そう、俺は大丈夫。




「あたし、大丈夫だよ……?」

俺が言いたかった事は、言わなくてもなぎさに伝わった。