最後の女、最後の恋。 そして人生最後のプロポーズ。


「あの子、静の友達なの?」

玄関が閉まると同時に俺にそんな事を聞いてくる母さん。

俺は何のためらいもなく答えた。

『うん。友達だよ。』

「何かあったの?」

『や、なんも?』

俺にはこの質問の意味があまり良く理解できなかった。

部屋で喧嘩したのかとかそういう意味かと思って、そう言った。

でも違ったみたいで。