最後の女、最後の恋。 そして人生最後のプロポーズ。



『姉ちゃん、優しい?』

「優しい。」

シンプルな答えだけどなぎさの表情が柔らかくなった。

本当に優しいんだな。

「あ、じゃあそんな長くいても悪いしそろそろ帰るね。いろいろありがと。」

俺は別にいつまでいてもかまわないんだけど、なぎさも用事があるかもしれないし、あえて引き止めなかった。
 


「おじゃましました。」

俺と母さんに一礼し、家から出ていった。