『なぎさは黴菌なんかじゃないし、そんな奴らは気にしなくていい。それに、俺は黴菌になってもかまわない。 』
「貴方は綺麗だから……そんなのダメです。」
だけどずっと怯えたままのなぎさ。
じゃあ俺も話そうか。
なぎさも話してくれたんだし、なんか不公平な感じするし。
その代わりお互い誰にも言わない約束をした。
『俺さ、病気なんだよね。原因不明らしくて。まぁ今は薬で何とかなってんだけど。激しい運動とか禁止だし、通院もしなきゃいけない。あんまり外とかも出ないから見た目こんなんだよ。なぎさは綺麗って言ってくれるけど、俺は女々しい自分が嫌いなんだ。それなのに俺なんかに憧れて入学してくる女子もいるみたいで。でも俺は人間なんか信じてないし、友達もいらないって思ってる。』
「……そうなんですか。あたしと少し似てるのかもしれないですね……あたしも友達いらない。」

