最後の女、最後の恋。 そして人生最後のプロポーズ。




『ここは屋上だけど、立ち入り禁止ゲートだから。』


最後の最後にやっと普通に話せるようになった。

それまでは早口だったり自分でもわかるくらいに声が小さかったりだから、転校生に伝わったかもわからない。


『入ってみる?』

屋上に興味深そうな転校生。

「でも立ち入り禁止なんですよね……?」

俺は転校生の言葉を無視し、屋上のドアを開けた。

俺に続いて転校生も屋上へと足を踏み入れた。



『ねぇ、ちょっといい?』