【なぎさへ。なぎさ今泣いてないよな？泣くなよ？俺、なぎさの笑顔が好きだから。治療、つらかったわ……でもなぎさの笑顔が俺に生きる勇気をくれた。なぎさはまだ自分が嫌い？死にたいって思う……？俺、入院して思ったんだけどそれが普通の感情なのかもしれない。なぎさが自分を嫌いなら俺がその何倍も愛して、俺が治療を諦めようと思ったらなぎさの笑顔が治療を頑張ろうって思わせてくれた。俺らお互い一人を好んで生きてきたけどさ、結局人は一人じゃ生きられないのかもな。なぎさ、俺に幸せをくれてありがとう。あの時はなぎさを苦しめちゃったけど、もう一回信じてくれてありがとう。俺はなぎさに何かしてやれたかな。なぎさは俺でもわかるぐらい出会った頃より変わったよ。それは、なぎさが頑張ったから変わる事ができたんだよ？だからなぎさは幸せになれる。俺、ずっとなぎさのそばにいるから。新しい人ができるまでずっとそばにいるから。もし道を間違えてつらいほうに進みそうになったら何かしらの合図で教えるし、絶対に幸せにしてやるからな。今までなぎさにはつらいことがありすぎた。苦しみすぎた。だから今度は幸せになる番なんだよ。神様がそう言ってた。信じてくれないかもだけど。だからずっと手繋いで幸せの道に導いてあげる。なぎさなぎさなぎさなぎさ。もっとなぎさの名前呼んでやりたかった。そばにいたかった。死にたくなかった。でも運命だもんな……なぎさは俺が人生の中で本気で愛した一人の女。なのに約束守れなくてごめん。元気になったらプロポーズするって……指輪もこんなのしか買えなかったけど、それ見て俺のこと思い出してくれたら嬉しいなー、なんて(笑)俺、最後になぎさにちゃんと伝えられるかわからないから、文字で伝えることになっちゃうかも。でも伝えたい。結婚してください。】
完
