「昨日ごめんね。」
『気にすんなよ。俺なぎさの笑顔好きなんだよね。だからさ』
「笑うね……」
俺の言葉を遮ってこっちに笑顔を向けるなぎさ。
笑えてるよ。
『ありがと。』
笑顔を返す代わりにぎゅっと強く抱きしめた。
『マイペースで、なぎさらしくいろ。今は俺のそばでそうやって笑ってるだけで十分だから。』
「……うん。静のそういう優しいとこ、好きだよ。」
俺も、なぎさの素直で思いやりがあるところ、たまに兎みたいになるところも、全部含めて好きだよ。
検査のために来た北沢さんはそんな俺たち二人を見て羨ましいとほほ笑んだ。

