一度病むと立ち上がるのは難しい。

だから焦らすようなことは言いたくなかった。

俺にはやっぱりなぎさを落ち着かせることしかできないんだ。

そんな自分に苛々した。

「あれ、静君またケータイいじってるのー?早く寝なさい。」

たまたま病室の前を通った北沢さんが明かりに気づいて入ってきた。

『こんな時に寝れね。』