『そっか……なぁなぎさ、怖がるなよ。もうなぎさは一人じゃない。』
「別に怖がってないよ。」
あきらかに動揺しているような、困ったような、悲しい表情を浮かべるなぎさ。
『その顔で言われてもな。泣きたい時は泣けばいいし、つらい時はつらいって言え。逆に楽しい時や嬉しい時もありのままのなぎさでいればいいんだよ。今までみたいに自分を演じる必要なんかないから。』
毛布にくるまったなぎさを抱きしめておでこにキスをした。
なんだ?
これ。
胸のあたりが濡れるようなちょっと温かい感覚。
『……なぎさ…………』
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