『なぎさ……』 「私も友達なんかいらない。」 俺と田中さんの声がかぶった。 ほんのちょっと田中さんの方が声が大きかったからか、なぎさはそっちを見た。 「最初はそう思ってました。裏切られるのも離れていかれるのも嫌だったから……でも少しなら友達いてもいいかなって。」 そう言い左腕の袖を捲くった。 田中さんの腕には何本もの生きた証。 なぎさは田中さんを見つめ、少し悩んでいるような表情。