最後の女、最後の恋。 そして人生最後のプロポーズ。



『大丈夫。俺が何とか言ってみるからさ。あ、来たかな。』

廊下からの足音。

最近は足音だけでなぎさだってわかるようになってきた。

「静ー。あ……」

田中さんを見るとなぎさの顔から笑顔が消えた。

すかさず田中さんは否定してくれる。

「私、最近隣の病室に来た田中沙希と言います……静さんにはよくしてもらってますが決して怪しい関係とかじゃないんで……」