最後の女、最後の恋。 そして人生最後のプロポーズ。



そのまま自分の病室に戻るつもりだった俺の足を田中さんの小さな声が止めた。

『あー……』

頭にはすぐになぎさが浮かんだ。

きっとまた誤解するんじゃないかって。

でも……

「私友達いなくて……新条さんとならなれるかなって…… あ、でも迷惑だったならすみません、忘れてください……」

どこかなぎさと重なる部分があった。

迷ったけど結局アドレスを交換した。

だけど実際はメールするよりもどっちかが病室に行って話す事の方が多かったから、ほとんどメールはしない。