「なぎさ……」 心配だったのか姉ちゃんが部屋に入ってきた。 「傷……つけちゃったか……つらかったね……」 そしてあたしを強く抱きしめた。 こういう時はいつも姉ちゃんが慰めてくれる。 理解しようとしてくれる。 お母さんとお父さんのいい所だけをもらったような、そんな性格の姉ちゃん。 「ちょっと待っててね……」 すぐに姉ちゃんは器用に手当てをしてくれた。