静と出会ってあたしは変わった。

それは自分でもわかる。

だから、せめて静といる間はできるだけこういう事は考えるのもやめようと決めていた。

だけどそう思わせてくれた静が……遊ばれたあたしが悪いのかな。

そうだ、あたしが悪いんだ。

全部あたしが悪い……無意識のうちにカッターを握っていた。

左手首に冷たくあたる。

一瞬で赤い線が引かれた。

痛くないよ、痛くない。

あたし今笑ってる。

そうでしょ?

たまたま机の上に置いてあった鏡があたしの顔を映した。

笑っているつもりだったあたしの顔は、泣いていた。