てか、いつの間にそんな変なあだ名で呼ばれるようになってたんだ!?
そんなにアドバイスしてたか!?
…とか一人で脳内ツッコミをしていたところ、加藤さんは言った。
「私…ね、ある男の子と幼なじみなの。で、私、彼のことが好きなんだけど…。彼、いろんな女の子と仲良しで…。女の子との噂もいっぱいあって…。」
「なるほど。で、美奈先輩はその彼と付き合いたいんですね。」
「そうなの…。でも最近じゃ、昔みたいに遊んだりっていうのが全然無くって…。」
那奈々はうーん…と考えた。実を言うと、これまでに幼なじみ同士がでカップルになった確率は極めて少ない。だから今回うまくいくかは、二人の仲しだいなのだ。
「美奈先輩、上手くいくかは不安ですけど、案はありますよ。どうします？」
「どんな案かは分からないけど…。お願い!!彼が他の子にとられちゃうから!!」
「では明日、部活が終わった後、校門の前で待っていて下さい。」
「うん。」
そういうと、美奈先輩は駆け足で教室を出て行った。
「やばい。私も部活に行かなきゃ。」
私も駆け足で教室を出て行った。
目指すは囲碁部。
私はもうすぐで山の影に入ってしまいそうな太陽を窓から見ながら、夕日で赤く染まった廊下を走っていた。