『大丈夫?』


彼はあたしに近寄ってきてそう言った。


彼の目はあの綺麗な真紅ではなく、薄茶色だった。


彼の目の色が変わったことを疑問に思いながらもあたしはこくりと頷いた。


『俺は樋村透真。君の名前は?』


樋村君は何故かあたしの顔を伺いながらそう言った。


『羽山凰歌です。』


『はやま…?』


樋村くんは怪訝そうな顔で呟いた。


落ち着いてみると樋村くんはすごく綺麗な顔をしていることがわかった。


うわぁ…滅多にいない綺麗な人!


『調べてみるか…』


樋村君の顔に見とれてぼんやりしていたあたしは彼がぼそっと言ったことに気がつかなかった。