恐る恐る目を開けて状況を確認する。


どうやら抱き抱えられているらしい。


あたしをお姫様だっこしている人の顔を見た。


『え…?』


あたしはびっくりした。


だって


その人の目は燃えるような真紅だったから…。


その人はあたしがその人の目を見て驚いたのがわかったのか、バツが悪そうに


『あー…。目、つぶってて。ちなみに俺から離れたら死ぬからこのまま我慢して?』


と耳に心地よい声で言った。


あたしはほとんどそれを聞いていなかった。


だって…。


その人の真紅の目は宝石のようにとてもとても…綺麗だったから。


『ねぇ。聞こ』


『綺麗…。』


ぽろりと本音が出た。


あたしのが言ったことを聞いて彼はすごく驚いていた。


『ねぇ。今の状況わかってんの?』


白髪の男が不機嫌そうにそう言って突然大きな鎌を振り上げて襲ってきた。


それをその人はなんなく避けて後ろへ飛んだ。


『ここで動かずに待ってて』


そう言ってその人はあたしを教室の端に下ろした。


こくりとあたしは頷いた。


改めて見るとあたしを助けてくれた人は男だった。


すらっとしている。



彼は白髪の男に不敵に笑って


『来い』


と言った。