…取り立てて大きな変化はない毎日。


時間だけがやたらと過ぎていく日々。


あたしはそんな日々にちょっと退屈していた。





あたしは陸上部の練習のため着替えてからグラウンドへ向かった。




『はぁっはぁっ…』


走ったせいで乱れた息を整えながらなんとなく空を見つめた。


もう時刻は夕方で夕日が辺り一面を染めている。


今日は夕日がなんだか大きい。


すごく鮮やかで濃い。


とても綺麗なはずなのに、なんだか血を連想してしまいゾッとした。


スタートラインに戻ろうとくるりと回転した。


『えっ…!?』


振り返ると足を振り上げたまま止まっている陸上部員があたしの目に飛び込んできた。


恐る恐る周りを見渡す。


『…っ!』


…誰も動いていない。


ていうか…音もしない。


『…うそでしょ?ねぇ!?』


動かない陸上部員に触るけど動き出すことはなかった…。


…そうだ!


教室!


教室なら!


足がもつれそうになりながらも全力で走り、校舎へ入った。


バァン!!


なにかが衝突したような派手な音が聞こえた。


音がする!


誰かいるかもしれない!


ただ人に会いたい一心で音がした方へ向かう。