広いし綺麗だしバカでかい…。


これがあたしが樋村君の部屋に入った感想だった。


樋村君ってすごい裕福なんじゃないの?


部屋全体は白でまとめられていて清々しい。


『適当に座ってて?お茶しかないけどいい?』


『あっうん。ありがとう』


あたしはテレビの前にある白いソファーに座った。


『お待たせ』


少しすると樋村君が台所から出てきて少し間を空けてあたしの隣に座った。


沈黙…。


そして少し経った後、樋村君があたしの方を向き口火を切った。


『…今から話すことは羽山さんの想像を遥かに上回ることだ。そして…俺の話で真実を知れば、もう戻れない。何も知らなかった頃には戻れないんだ。それでも…聞いてくれる?』


『その、話は…あたしが知らなければいけないことなの?』


そう…。


たとえ戻れなくてもあたしは逃げたくない。


何も知らないままのうのうと過ごしたくない。


『そう…』


樋村君はちょっと悲しそうに言った。


そっか…。


やっぱりそうだよね。


ならば…