*叶愛side*


 『幸せになろうな?』



 神に誓った日、空汰君は言ったよね。





 あれからもうすぐ1年だよ。





「叶愛、行ってくるなー」




 そう言って家を出ていく空汰君。






 バタン、としまった扉の音の後にくる孤独感は1年経ってもなれない。







 まだ新任教師の空汰君は仕事で忙しい。





 他の先生から頼まれる仕事とかで帰りも遅い。






「仕方ないもんね…」




 そう自分に言い聞かせるのは何回目だろう。





 子供がいるわけでもなく、いるのは玄関の横にある棚の上の金魚さん。





「よし、洗濯しよ!」




 寂しさを紛らわすための家事。