次の日から拓海さんは
私の教室の前で、放課後、いつも待っているようになった。
もちろん、一緒に帰りたくもない私は、
全てを知っている佳奈に協力してもらって
なんとか避けて帰っている。
今日も私は、佳奈が拓海さんの気を引いているうちに教室を出た。
そして生徒会室に向かっているとき、誰かに行く手を塞がれた。
顔を上げると、3年生の先輩たちがいた。
川野詩織(かわのしおり)さん。
リーダー的な存在で、先頭に立ってこっちを見ている。
「あの・・」
「あなた、1年生の新島鈴?」
「はい・・・」
「今からどこに行くつもり?」
「あ・・私、生徒会室に・・・」
そう言った瞬間
肩を押されて後ろにこけてしまった。
「きゃっ・・・いった・・・」
そう言う私に近づいて
「1年のくせになめてんじゃねぇよ!どうせ顔目当てで色目使って入ったんだろ?残念ながら、蓮はあんたみたいなガキには興味はないの。わかったら、蓮に近づくなよ。」
と言った。