「愛美ちゃん」
呼ばれた声に振り返るとネクタイを外した三條先輩の姿
「卒業おめでとうございます」
「ありがとう。送辞良かったよ。どうしたの?」
泣きそうなのがわかるんだ
「先輩。ネクタイどなたに渡されたんですか?」
「渡してないよ。そんなもの」
面倒くさいから隠したんだ。と先輩は黒い笑みを浮かべた。
先輩が思っていた以上に黒いと知ったのはつい最近
でもそれだけ聖司に近い人間だって心を許してくれていると思うと嬉しかったりする。
「多分聖司もそうだと思うよ」
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