目を閉じて、どれくらい時間が過ぎただろうか。 ふと俺は、こちらに近づく気配と足音に気づき、目を開けた。 「!」 結界が破られた気配がして、俺は寝ぼけ眼を見開く。 ――そんな、バカな 俺はサッと起き上がり、闇に目を凝らした。 ――一体、誰が… こめかみから汗がしたたり落ちる。 足音は次第に大きくなっていく。 だけど、この気配はアヤカシでもなく人間って感じでもない。 「……………」 ――何だ? 俺はゴクリと生唾を飲んだ。