うつむきながら、震える声でタクに訊いたら。
「大学に大手芸能プロダクションの社長と親戚なヤツが居て、そいつがオレの写真をその社長に見せちゃったんだよ。そしたら、会いたいって言われて、実際に会ったら、すぐ東京に来いって言われて…。数日後にはもうとある香水のイメージキャラに抜擢されてたんだ。1週間後に撮影することになってる」
…タクは、昔から田舎に住むのはもったいないくらいの容姿をしていた。
それは私だけじゃなく、周りも認めるほどに。
だけど、まさかそんなひょんな切欠で、東京に住むことになるなんて…。
あまりにも突然すぎて、思考回路が一時停止していた。
目をパチクリしながら泣いている私の姿を見て、タクは「泣くか驚くかどっちかにしろよ」って、頭をコツンと軽く叩いたけど。
どっちも止められなくて、ずっとそのままでいたらハァと深くため息をつかれてしまった。

