「・・・ごめんね。あたし付き合えたのに片想いのときよりもずっと臆病になってて言葉に出来なくて・・・」




「・・・・」




「また自分の中でグルグル考えて立ち聞きしちゃったんだ。栄が女の子のこと名前で呼んでたの。それ聞いてあたしのこともう好きじゃないんだな。心変わりしちゃったんだなって思った。電話やメールが怖かった。『別れる』って言われると思ったんだ」





「・・・それを言ったのはお前だろ?俺に言われたくないのに自分から言うってことはそうなってもいいって思ったからだろ?」




扉の奥から返ってきた声はすごく低くて怒ってることが伝わってくる。



そう。あたしはまた栄を苦しめたんだ。