ギクッ。見られた。


ちらっと栄を見ると机に肘を立てて
視線を反らされた。




黙ってろってことですね。了解です。




「あ、うん。そ、そうなんだ。良かったら食べる?美味しいよ」




声裏返らないように愛想笑い浮かべて
言ってみたけど大丈夫かな?






「ううん。あたしは明日買ってきてもらう約束してるからいいよ。ありがとう」



あ、そっか。そうだよね。うんうん。
栄に買ってきてもらうんだよね。




「あ、そっか。美味しいからぜひ食べてみてね」





そう言って前を向いたあたしは江坂さんの独り言に全く気づかなかったんだ。





「・・・なるほど。そういうことね」