「あれ?あゆちゃん?」




栄に先に帰ってもらってホームのベンチで泣きじゃくっていたらなっちゃんが
あたしの顔を覗き込んだ。




「あれ?あいつは?えっ?ってか泣いてた?大丈夫?あゆちゃん?」




「・・・っく。なっちゃん」




なっちゃんに思いっきり抱きついてまた泣きじゃくった。



なっちゃんはあたしの背中をそっと撫でて落ち着かせてくれた。




「あいつ、そんなこと言ったんだ」




ハンカチで目を抑えながら頷く。

あの一言は思いのほかあたしの心に深く残って



あたしを好きなことを諦めるために言ってくれたんだと思うと残酷でたまらなかったんだ。