春___
それは全てがスタートする季節。

私、栗原恵美は心臓病を抱えながらも憧れの大学に進学することができた。
そんな私をサポートしてくれるのが同棲している二つ上の彼氏、速水秋都。
私達は高校からの付き合いで、当時写真部だった秋都に私は一目惚れだった。
そして今でも写真家になるのを目指している彼を私も全力でサポートしている。

「本当に恵美が大学生なんて信じられないよ」
合格発表の日から毎朝秋都はそう言う。
「私も!合格出来てよかった~」
私は決まってそう答える。
大学まで徒歩20分。
私は、自分の体の事を考えて近い大学を選らんだ。
親友の後藤麻季も同じ大学。麻季とは幼稚園の時から仲が良く、自分自身でも大学まで一緒になったことはビックリだ。
「でも麻季ちゃんが一緒なら恵美は安心して通えるね」
「ちょ……っ私は一人でも出来る子なの!ただ麻季が面倒見が良いだけで…」
「本当かなー?」
「本当よ!」
こうやって毎朝賑やかに朝食をとる。
基本的に私が作るが、忙しい時には秋都が作ってくれる。
自分で言うのも何だが、秋都の方が料理が上手いのだ。
「早く支度しないと遅れるよ、恵美」
「わかってるわかってる!」
私は朝食を済ませ、玄関へと向かう。
ちなみに私達はアパート暮らしで、ここのアパートも大学までの距離に合わせて秋都が選らんでくれたのだ。
「いってきまーす!」
朝、春の朝__。一日の始まり。
私は期待と希望を抱いて大学へと向かう。



「幸せな日々がこれからもずっと続きますように__」

そう。

それが私の願いだった。