【兄side】

妃菜の身体から力が抜けている瞬間を見計らって、より強くマッサージをしたが、苦しさと痛さで泣き始めた。

泣いていると自然に呼吸が出来ているので、妃菜には悪いが、マッサージにはちょうどいい。

「痛いね、頑張れてるよ。もうちょっと我慢しようね」

終わるまで、優しく声を掛け続けた。

「はーい、おしまい!心臓苦しいの楽になったでしょ?」

「・・・」

「なーに怒ってんの?」

「嫌だって言った…」

「うん、ごめんな。でも、楽になっただろ?」

そう言って頭を撫でてると、妃菜がこっちに向かって手を伸ばしてきた。

「なに?だっこしてほしいの?」

「お兄ちゃん、ぎゅー」

「はい、はい、ぎゅーしような!(笑)」

さっきまで、怒って拗ねてると思ったら、今は甘えん坊だ。

マッサージでギューっとされるのは嫌がるくせに、ギューっと抱きしめられるのは好きらしい(笑)

今の症状がある程度治まるまでは、マッサージ頑張ろうな。