【兄side】

「妃菜、ちょっとマッサージしようか」

「いい、しなくていい!」

「え~、そうかな?心臓はしてほしいって言ってるみたいだけど(笑)」

「そんなこと言ってないから、やらなくていい!!」

最近、心筋が硬直し、発作の前段階のような症状が頻繁に起こり続いている。

発作が起こってからではもっとしんどい思いをさせなければならなくなるので、発作に繋がる前に、心筋が硬直してくる度に筋肉をほぐすための心臓のマッサージを行っている。

このマッサージは硬直している心臓をほぐすことが目的のため、かなり強い力を胸に加える。

なので、その間、少し息苦しさと痛みが生じるので、妃菜はこのマッサージをすごく嫌がる。

「でも、胸ギューってちょっと苦しいでしょ?」

「お兄ちゃんがギューってした方が苦しいし、痛いもん!」

「このままマッサージしないでいると、発作が起こって本当に苦しくなるよ。発作のつらさは妃菜が1番分かってるだろ?」

「発作も嫌だけど、マッサージもやだ!」

「だめ!発作は命にかかわるんだから、マッサージ頑張るよ」

そう言って、上のパジャマを脱がそうと触れたら…

「触んないで!嫌なの!」

勢いよく俺の手を払ってきた。