【妃菜side】

小さい頃から病気で闘病生活をしてきているのに、全然治らないし、逆に次々に病気が増えているんです。

お兄ちゃんは、いつかそんな私に嫌気がさしてしまうんじゃないかって最近すごく思うようになりました。

それを考えると、すごく怖くなって、1人でいられなくて、常にお兄ちゃんがそばにいてくれないと不安で仕方ないんです。

「妃菜、大丈夫。お兄ちゃんはどっか行ったりしない。ずっと側にいるよ」

お兄ちゃんは膝に座った私を後ろから包み込むように抱きしめてくれました。

「一緒がいい…」

「うん、一緒にいような」

「でも、妃菜全然治らないから、迷惑…」

「迷惑なんて思ったこともないよ。妃菜の病気はそんなすぐに治るものじゃないの!良くなったり、悪くなったりしながらも毎日頑張って治療して、ゆっくりゆっくり治していくものなんだから!」

「でも、小さい頃は喘息と心臓が少し悪かっただけなのに、だんだん悪くなって、次々に病気になってるし…良くなるどころか、悪化していく一方だから、お兄ちゃんも嫌になって、いつか見捨てたくなると思う(泣)」

「そんなことで絶対見捨てたりなんかしないよ。病気のことは妃菜が悪いわけじゃない。どんなに治療を頑張ってても、悪化することもあるし、新たな病気になることだってある。でも、なかなか良くならないからって見捨てるような医者はいないぞ。むしろ、もっと何か出来ることはないか?ってその患者さんのことをより考える。お兄ちゃんだって同じ!それに妃菜はただの患者さんじゃなくて、お兄ちゃんの大事な大事な妹なんだから!」

「うん…、でも怖かったの、いつかいなくなるんじゃないかって…。お兄ちゃんがいないと何も出来ないのに…」

「そっか、怖かったな。でも、もう大丈夫だろ?お兄ちゃんが妃菜のこと、どれだけ大好きか伝わってなかったか?(笑)妃菜が嫌って言っても、ずっと一緒にいるつもりだから、覚悟しとけよ!(笑)」