お兄ちゃんは妹の主治医

【兄side】

以前にも同じようなことがあったけど、命に関わることなのだから、今回はきちんと厳しく言い聞かせないといけないな。

ただ、頭ごなしに厳しく叱っても意味がないから難しい…。

「妃菜!これは妃菜が食べてもいいものなの?ダメなものなの?」

「ダメ…」

「そう、ダメなものだよね。ちゃんと分かってるのに、どうして食べたの?」

「ちょっとお腹すいたなって時に見つけて、それに、妃菜にはいつもダメって言うのに、お兄ちゃんだけズルいと思って、食べたくなった」

「もうすぐお昼の時間なのに我慢しないと…。それにお兄ちゃんだけズルいって、妃菜は病気で食べれないでしょ?だから、ダメなんだっていつも言ってるよね。」

「でも、ちょっとぐらいならいいじゃん!」

「でもじゃないよ!ちょっとでもダメなものはダメだよ!妃菜にとって、ああいうものは毒と同じようなものなの!病気を悪化させるだけのもの!だから、我慢しなきゃ」

「ダメ、ダメっていつもダメしか言わないじゃん!我慢ばっかり、もう嫌なの!ちょっとだけなのに、許してくれたっていいじゃん!」

「何でもかんでもダメって言ってるわけじゃないよ。妃菜の身体にとって良くないものしか禁止してないでしょ。絶対にダメなものはダメなんだよ」

「お兄ちゃんの鬼ー!わからずや!」