【妃菜side】

夕方、外に散歩に行った時にお兄ちゃんに普段の外出のこと頼んでみたけど、やっぱり無理だった。

わたしの病気そんなに悪いのかな…?

部屋に戻り、鼻の吸引を終え、夕食がきた。

わたし専用食だから、もちろん薄味に仕上げてあるのだけれど、食材そのものの味を活かしたお料理が多く、薄味でも美味しいと感じれる食事で、大満足です。

夜の吸入では、なんだかいつも以上にむせて、息を吐くばかりで、なかなか吸うことができなかった。

「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ…」

「妃菜ー、苦しいけど頑張ってお薬吸うんだ!スー、ハーって」

そんなこと言われても、苦しくて吸えないし、吸い込むともっと酷くなるのに、吸えません。

「妃菜、ちゃんと吸いなさい!もう1回したいの?嫌なら、きちんと吸え!妃菜の、気管支もいま頑張ってるんだよ」

お兄ちゃんの口調がすごく厳しくなり、やり直したくないという一心で必死に呼吸したけれど、この辺りから記憶が曖昧で、終わってやっと気付きました。

「妃菜、終わったよ。いつも以上に苦しかったかな?たぶん、今日はお外の空気にたくさん触れたから、身体も疲れてるんだね。頑張ったね。苦しい時に厳しいこと言っちゃってごめんね」

「お兄ちゃん悪くないよ。咳のせいで吸いにくかったのもあるけど、すごく苦しいのに、これ以上吸って苦しくなるのが嫌だったの…。ごめんなさい、いつもちゃんと吸わなくて叱られてるのに…」