お兄ちゃんは妹の主治医

【妃菜side】

少しお腹が空いてきた時に、キッチンの棚にあったスナック菓子を見つけた。

「わたしには食べたらダメって言うのに、お兄ちゃん、隠れて食べてるんだ!」

「まだ、お兄ちゃん診察時間だし、ちょっとぐらい良いよね」という気持ちで、食べていた時、

「妃菜!何してんだ?」とお兄ちゃんは診察が早く終わり、帰ってきた。

「えっ!?何もしてないよ」と言って咄嗟に後ろに隠したお菓子だったが、怖い顔で迫ってきたお兄ちゃんに簡単に取り上げられてしまった。

「妃菜!これはどういうこと?」

「・・・」

「妃菜、答えなさい。何してたんだ?」

明らかに怒ってる表情と声のため、これ以上怒らせないために、正直に言うしかなく…

「食べた…、ごめんなさい…」

「とりあえず、ベッドに戻って。それから話そう」と言って、引っ張られていった。

「ごめんなさい…。ごめんなさい…」

お兄ちゃんが怖くてもうこの言葉しか出ない。

「ごめんなさいは分かった。もういいから。」