【兄side】

部屋に着いて妃菜が着替えている間に、俺は従業員の方に妃菜の食事に関する話をする。

現在は水分制限で1000ml程の水分量に抑えているということ、塩分・糖分・油分は例年通りの制限量であるということを伝える。

部屋で少しゆっくりしていると、昼になり、昼食が運ばれてきた。

妃菜のメニューを見てみると、とても食事制限しているような内容じゃないのだが、妃菜のメニューに関しては毎食、塩分・糖分・油分、水分をどれだけ使用しているかを記した用紙を共に持ってきてくれるというサービスをしてくれるので、とても助かっている。

妃菜もおいしそうに食べて完食し、昼の服薬もさせ、休憩していると、

「お兄ちゃん、お外いこうよ!!」

「そうだね!空気もきれいだし、お散歩しようか!」

「やったーー!ねー、早くいこー」

「ちょっと待って!お外行く前にお兄ちゃんとお約束して。この後、治療があるから、今は短時間で戻ってこなきゃいけないけど、時間なったら素直に帰ること!いいね?」

そう約束させ、近くの花畑にやってきた。妃菜は大喜びではしゃいでいたが、そろそろ戻る時間だ。

「妃菜、そろそろ戻るよ!さあ、治療だ、治療!」

「やーだー!もうちょっとだけ!治療もやだー!!」

「やだじゃないでしょ?約束しただろ?また、夕方連れてきてやるから」

強引に車いすを押し、部屋に戻って、妃菜に手洗い・うがいをさせ、ベッドに寝かした。

「じゃあね、吸入から始めるよ!お鼻の栓しようね」