【兄side】

今月の検査結果もあまり変わらず、病状が安定しているので、今月末の3連休で旅行の計画立てている。

普段は、数十分の外出ですら、あまりさせてやれず、1回も連れて行ってやれない月もあれば、多くても3~4回の散歩というのが現状だ。

それでも、妃菜は毎日、大嫌いな治療や処置を頑張り、毎月大変な検査を乗り越えてくれているので、ご褒美として、妃菜の体調にもよるが年に1回は旅行に行くようにしている。

場所は、昔からお世話になっている、目の前に草原があり、裏には海のある静養に相応しいホテルである。

そこでは、妃菜の食事制限や水分制限に応じた別メニューの食事を作ってくれるので、とてもありがたい。妃菜は外食は絶対にできないので、こういう配慮のあるところにしか行けない。

もちろん旅行中であれ、治療を休止することは出来ないので、ホテルには前もって、治療や処置に使う機器や薬を送っており、現地でも治療を行えるようにする。

「妃菜-!今月末にある3連休で旅行に行こうか!!」

「ほんとに!?やったー!!」

「ほんとだよ!(笑)いつものことだから分かってると思うけど、今日から旅行の前日まで、あの薬飲もうね」

あの薬とは、外出すると必ずと言っていいほど風邪をひいてしまうので、免疫力を高め、風邪をひきにくくする薬を旅行の数週間前から飲ますようにしている。

しかし、この薬は副作用として酷く倦怠感があるため、服用期間中はベッドから動けない状態になる。