【兄side】

あのおばさんは一体なんてことを言ってくれたんだ!妃菜を傷つけるようなことを言うだけ言って…

妃菜を抱きしめながら声を掛けると、妃菜が、

「でも、おばさん、妃菜のせいでお兄ちゃんが好きなことできないって…。入院したら、お兄ちゃんも遊ぶ時間できるんでしょ?結婚だって、妃菜がいるから…(泣)」

「おばさんの言ってたことは気にすることないよ!お兄ちゃんはあんなこと、ちっとも思ってないから。お兄ちゃんが妃菜を治したいから、家で治療してるんだよ。他人の医者なんかに任せたくないからね。お兄ちゃんが好きでやってることなの。それに、自由な時間だって、ちゃんとあるよ!お兄ちゃんの友達がお家に来てることあるでしょ?それに、行くこともある。」

同じ医者をしている友達が多いから、妃菜のことも理解があり、たまに家に遊びに来たり、妃菜を連れて、友達の家に行くことだってある。

合間に治療をしながらだが、その治療を友達が手伝ってくれるほどだ。

「うん…、でも…、妃菜出ていく…」

「出ていく必要なんてないよ!むしろ、出ていくなんて許さないぞ!」

「ん、いや、いや、離して…ヤー!」

妃菜は軽いパニックを起こしてしまったが、早く宥めないと、発作が起きて大変なことになる。