【兄side】

順調に腸の検査を終え、妃菜を休ませている間に次の心臓の検査の準備をする。

心臓の検査は、簡単なものでは心電図と心エコー。結構過酷な内容の検査では、数ヶ所心臓に電極付きの針を刺し、軽く電流を流し、心臓の具合を計測する検査と、大腿部からカテーテルを通し、心臓を調べる心臓カテーテル検査を行う。

1時間後・・・

妃菜を検査室に連れて行き、心電図と心エコーは難なく終了した。

「妃菜、今から、何回か胸に針刺す検査するからね。身体固定させてね」

検査中に動かれると危険なので、両手首、両腕、腰、頭、両大腿部、両足首と厳重に固定していく。

「じゃあ、針刺すよ。痛いけど、我慢しようね」

刺した瞬間に、妃菜の悲鳴が聞こえる。そして、それを数ヶ所繰り返し行った。

「妃菜、最後だから、頑張るよ」

「ギャー、ギャー、ヤー、ギャー」

「終わったよ。痛かったね、よく頑張った」

止血処置を終え、頭を撫でてやった。


1時間後・・・

あのあと、また1時間休ませ、これから今日最後の検査を始める。

「カテーテル検査するね。これは麻酔するから痛くないから、妃菜は動かずに寝ててね。固定するよ。」

また、さっきと同じように固定をする。

「太ももに麻酔の注射するから、チクッとするよ。これ頑張ったら、検査は痛くないからね。いくよ、チクッ」

このぐらいの注射なら、何も言わずに耐えてくれるようになった。

その後、カテーテルを心臓に向けて進めていき、造影剤を流すのだが、その際に胸がカーっと熱くなる感覚がするので、妃菜には苦痛となる。

「今から、お薬流すね。もうすぐ終わるよ」と言って流したら、

「いやっ、やー、やだー」胸の嫌な感覚から愚図り始めた。

「大丈夫だよ、妃菜。急に胸熱くなってビックリしちゃったね。もうなくなるから、大丈夫だよ」

「お兄ちゃん、だっこー」

「今は出来ないから、あとでしてあげるよ~!すごく頑張ったもんね」

検査は終わったが、1時間は起き上がることが出来ないため、愚図る妃菜をなだめながら、寝かした。

こうして大変な1日が終わった。