お兄ちゃんは妹の主治医

【妃菜side】

朝の診察と処置が終わって、やっと朝食の時間です。

わたしは塩分や糖分、油分は極力控え、濃い味のものも控えなければいけないなどの厳しい食事制限があるため、お兄ちゃんが作った食事やお兄ちゃんが決めたものしか食べてはいけないことになっています。

「妃菜、ごはんだよ」と呼ばれ、リビングに行きます。

テーブルには、トースト・サラダ・目玉焼き・コーヒーが置かれているが、これはもちろんわたしのではなく、お兄ちゃんの朝食です。

わたしの朝食は、お兄ちゃん特製の塩分控えめのおかゆに無糖のヨーグルトといった、いかにも病院食のようなメニューです。

朝食後は服薬の時間です。

「さあ、妃菜!お薬飲もうね」

そう言って、大量の薬と水を渡され、お兄ちゃんの目の前で全部飲まないといけません。

以前、苦手な薬があり、それを隙を見て、捨てていたことがお兄ちゃんにバレて、それ以来、必ずお兄ちゃんの監視の下、飲まなければいけないことになったんです。

まあ、自業自得なんですけどね…(笑)