【兄side】

2日後、検査1日目・・・

今日は腸と心臓の検査をする。

まずは腸の検査から…。この2日間は普段の治療は中止で、クリニックの営業が終わった昼から検査をする。妃菜を検査室に連れて行く。

「今から腸の検査するから、妃菜は頑張ってお腹に力入れて、便が出るように息んでね」

排泄障害のある妃菜の腸の状態を確かめるために、腸専用のバリウムを前もって飲ませ、まずは息んだ時の腸の様子をレントゲンで映す。そして、指を挿入し、直腸刺激をしている時の腸の様子も映す。おそらく自力ではバリウムを排泄できないので、最後はいつものように浣腸をして、排泄させる。

検査はもう1つあり、次は直腸内を内視鏡で検査する。これは、お尻から内視鏡を挿入するため、違和感や痛みがある。

妃菜は毎朝の浣腸の様子や坐薬挿入時からも分かるように、お尻の違和感をすごく嫌がるので、これらの検査も毎回大変なんだ。

「妃菜ー、息んでー!」

「んー、んー」

「意識してもうちょっとお腹に力いれるようにして息んでー!せーの、んー」

俺の掛け声と同時に妃菜も頑張って息みだした。

「んー、んー、んーーー、はあ、、、」

「上手にできてたよ。もう1回今みたいに思いっきり息むよー」

「んー、んーー、んーーー、んーーーー」

あと何度か繰り返しやらせ、次は直腸刺激だ。

「妃菜、次は朝と同じようにお尻に指入れて、ちょっとグリグリするから、気持ち悪いけど、我慢ねー」

指を挿入し、刺激し始めると、妃菜は腰をクネクネ動かし嫌がり始めた。

「妃菜ー、気持ち悪いけど動かないよー。もうすぐ終わるから我慢ね」

直腸刺激も終わったので、腸内にバリウムが残らないように浣腸で出さないといけない。