お兄ちゃんは妹の主治医

【兄side】

やっぱりな…(苦笑)そう簡単に受け入れてくれないのは想定内。

「そうだよね、苦しくなるって分かってるもんね。でもね、あんなに苦しいけど、頑張って吸入してくれたから、妃菜の身体いつもより良い音になってたよ。このやり方の方が断然効果があるってことだから。今までの吸入でも辛いんだし、どうせ辛いなら、もうちょっと辛くはなるけど、もっと効果のある方法でやろうよ」

「でも、辛いのやだ……」

「嫌なのは知ってる。いつも言ってるけど、妃菜がどんなに嫌がっても、妃菜のためならお兄ちゃんは無理やりにでもやるよ」

「うん…。お兄ちゃん、いつもどんなに妃菜が嫌って言っても、絶対にやめてくれないもんね」

「ははっ、そうだな(笑)お兄ちゃん厳しいもんな」

「うん。でも、お医者さんのお兄ちゃんは厳しいから嫌だけど、そうじゃない時のお兄ちゃんは好きだよ」

「ありがとな。できれば、お医者さんのお兄ちゃんも好きになってほしいんだけどな(笑)」

「えー!嫌な治療とか検査やらないなら、お医者さんのお兄ちゃんでも好きになれるよ。だから、治療とか検査やらないで」

「それは無理なお願いだな(笑)妃菜のことが大好きだから、病気を治すために、治療も検査もするんだから。お医者さんのお兄ちゃんをも妃菜が好きになってくれる日はこないかな?(苦笑)」

「そうだと思うよ。でも、お兄ちゃんは大好きだよ」

そう言うと、妃菜は俺に抱き着いてきた。

「おっと!どうしたんだよ急に!(笑)」

本当に可愛いやつだ。

さて、吸入はなんとか終えたが、まだ大変な治療が残っている…