【泌尿器科医side】

さっそく妃菜ちゃんを泣かせてしまった。

しかし、これからの処置や治療のことを考えると、オムツを付けさせることが必要なので仕方ない。

先日、検査したところ、尿道内にある筋肉が固まってしまって刺激してもうまく排尿が出来なくなっていることが分かったので、尿道内の筋肉をほぐす治療をしないといけない。

まずは1時間に1回15分~20分間専用の棒を挿入し、尿道内筋肉をマッサージする。

このマッサージでは異物感とマッサージの圧迫感で排尿処置と同じような気持ち悪さがあるので、妃菜ちゃんは愚図って、毎回嫌がる可能性が高い。

そして、マッサージ以外の時間は尿道筋肉に軽い電気刺激を与えられる専用のブジーのようなものを挿入しておくようにする。

これは、尿道筋肉が軽い電気刺激されるため、慣れるまではほんの少しだけ痛みを感じる患者さんもいるし、多くの患者さんはお股の中がぴくぴくとして気持ち悪いと訴える。

妃菜ちゃんの場合は、それで勝手に抜いてしまわないように気を付けなければならない。

そのほかには1日1回尿道の筋肉に直接筋肉緩和の薬剤を注入するために、激痛を伴う注射をしなければならない。

あとは、いつも通り3時間に1回の排尿処置をする。

「妃菜ちゃん、さっき説明したマッサージをするからね。ベッドの脚のところ開いていくからね。妃菜ちゃんの脚もそのまま勝手に動いていくからね。よし、ちょっと固定するよ。オムツ開くね」

準備が出来たので、マッサージを始めていった。

「やー、気持ち悪い…」

「うん、気持ち悪いね。頑張れてるよ」

「やだ…、先生やめて」

「やだねー、でも、まだやめないよ。頑張れ」

「や、や…もう、終わり」

「ん?まだ終わりじゃないよ!さっき始めたところだしね。我慢我慢」

予想通り、尿道内の気持ち悪さで愚図った妃菜ちゃんを何とか宥めながら、マッサージを終えた。

「はい、終わり!よく頑張ったね」