【妃菜side】

昨日からお兄ちゃんの友達の泌尿器科のクリニックでの入院生活が始まりました。

昨日は、何もしなかったのですが、今日から治療が始まるそうです。

「妃菜ちゃん、今日から本格的に治療していくからね。一緒に頑張ろうね」

「痛いことする?」

「んんー、ちょっとだけあるかな。痛いのよりも、気持ち悪いのを我慢してもらわないといけないことの方が多いかもしれないな。そんなに不安にならなくても大丈夫」

そう言って頭を撫でてくれました。

「お兄ちゃんから入院前に少し聞いてると思うけど、先生からも簡単に説明するね。このままもう少し悪化してしまうと、カテーテルっていう管を入れないと、おしっこできないようになってしまう。その状態になってしまうと、一生カテーテルを使っておしっこを出さないといけなくなるんだ。そうならないように、きちんと治療するために先生のクリニックに入院してもらったんだよ。」

「良くなる?」

「うん!妃菜ちゃんが頑張ってくれれば良くなっていくよ!そのために少し痛いことや、気持ち悪いこともするけど頑張ろうね。あと、全部おしっこの治療だから、パンツも脱いで脚を大きく開いてもらわないといけない時間が多いけど、必要な治療なんだから、恥ずかしがらなくていいからね。」

「頑張る。治療は先生がやってくれるんでしょ?」

「偉いね、頑張ろうね!治療は先生が担当するよ!他の人は来ないから安心してね。あとね、入院中はパンツじゃなくて、これを穿いてほしいんだ」

そう言って、先生は紙おむつを見せました。

しかもパンツタイプのオムツではなくて、赤ちゃんがするような両サイドをテープで留めるタイプのオムツです。

「えっ!?やだよ…なんで…赤ちゃんじゃない…」

「ごめんね。これからの治療や処置のことを考えると、このオムツが1番いいんだ。治療をしやすくするためには必要なんだ。だから赤ちゃんのオムツとは訳が違うよ。入院する患者さんは大抵穿いてもらうのが、うちのクリニックの決まりなんだ」

「やだ…(泣)オムツやだ…」

「嫌だね…良くなって早くパンツ穿けるまでになるように頑張ろうな。」

「やーーー(泣)」

「そんな泣かないの。どんなに嫌がっても先生もお兄ちゃんと同じで、無理やりにでも穿かすよ。治療も同じだからね。はい、パンツ脱いで、オムツつけようね」

わたしが泣いて嫌がっているのに、先生はそんなのに構わず、わたしのパンツを脱がして、オムツを付けてしまいました。

この先生は普段はすごく優しいですが、お兄ちゃんと一緒で治療や処置に関することにはすごく厳しいのかもしれないと、この時に思い知りました。

このクリニックでは同じく治療や処置がしやすいという理由で、入院中の病衣も私物ではなく、浴衣のようなもので下半身がすぐに出せるようになっています。