【妃菜side】

お出かけのために少しでも良くなるように、頑張って大嫌いな処置も治療もやってきたのに、お兄ちゃんは簡単に中止したの。

そのうえ、4時間ぐらいずっと下半身裸のまま、おしっこの処置をされました。

2か月間あんなに頑張ったのに、約束守ってもらえないんだから、もう処置も治療もやらないって決めたんです。

どんなに頑張っても、わたしの身体は結局良くならないんだから…

それからというものの、お兄ちゃんのしてくる処置や治療のすべてを拒否しているのですが、お兄ちゃんに何だかんだ言われて、最終的には無理やりされてしまいます。

「妃菜、胸の注射するから、頑張ろうね」

「いやだ!治療は何もしないっていったでしょ!」

「治療をしないわけにいかないだろ?」

「頑張ったって、何にもならないんだから、それなら、何もしない!!」

「何言ってんだよ。治療頑張ってしてたら、良くなっていくだろ」

「頑張ったって、お出かけいけなかったじゃん!嘘つき!!」

「お出かけをすごい楽しみにしてたのも、そのために前向きに治療頑張ってたことも、お兄ちゃん知ってるよ。だから、お兄ちゃんも出来るだけお出かけさせてやりたかったけど、あの状態ではどう考えても無理だったんだ」

「嘘つき…」

「ごめんな…、すごく楽しみにしてたのにな。でも、あの日は中止になったけど、妃菜がこれからも前向きに治療に取り組んでくれてたら、お出かけしようと考えてるんだぞ」

「どれだけ頑張ったら?また2か月?」

「そうだね、まだちゃんと決めてないから正確なことは言えないけど、そんなもんじゃないかな」

「絶対?」

「うん、約束な!でも、それは体調が少しでも良くなってたらだからな!」

「ホントに良くなる?」

「良くなる!毎日、治したいって気持ちを持って治療してたら良くなっていくから」


【兄side1】

そんなこんなで、今回のイヤイヤ期は幕を閉じた。

今回はちょっと言い聞かせたら、素直に受け入れてくれたので助かった(笑)

次はどのタイミングでイヤイヤ期が訪れるのだろうか…