お兄ちゃんは妹の主治医

【兄side】

こうして、昼食前の軽い診察を終え、妃菜と一緒にリビングへ向かった。

「今日、妃菜が摂っていい塩分・油分量がおそらく超えちゃってるから、今日のごはんはいつもよりも薄味だから、美味しくないかもしれないけど、ちゃんと食べるんだよ。」

「うん…」

さっきの説教で、少しは反省したのか、反論することなく、素直に食べ始めた妃菜だったが、しばらくすると妃菜の手が止まっていた。

「妃菜?どうした?しんどくなってきた?」

「ううん…。そうじゃないけど、もういらない。ごちそうさま」

「具合悪くて食欲ないわけじゃないんだから、もうちょっと食べなきゃダメだよ。」

「だって…、すごく味薄いし、それに…そんなにお腹すいてないんだもん」

「だってじゃないよ。いつもより薄味にしなくちゃいけなくなったのも、お腹すいてないのも全部妃菜がやったことが原因でしょ?こうなちゃうと妃菜がかわいそうだから、お兄ちゃんがちゃんと食事の管理してるんだよ」

「うん、ごめんなさい…(泣)」

「ほら、泣かないで。残していいから、もうちょっとだけ頑張って食べよう」

それから、妃菜に食べさし、昼食後の服薬をさせた。

「あとから行くから、先に部屋戻っといて。」


食事に関して、妃菜が今日みたいな思いをしなくていいように、いつも徹底的に食事管理しているんだ。

それでも普通の味付けのものではなく、薄味のものしか食べさすことは出来ないが、今日のように塩分等をほぼ使ってないものに比べたら、幾分かはマシなはず。

そのためにも、妃菜には我慢を強いることになるだろうが、徹底管理をし続けていかなければならない。