「小野くんはねー」
水無月さんは口を尖らせたまま、言う。
「時々息苦しそうだなーって思うよ」
「…………」
「夏休み楽しんでなさすぎだもん」
「…………はあ」
「夏休みだよ?」
「……はい」
「自由だよ?」
「……はい」
「ね、楽しもうー!」
わしゃわしゃー!と。
俺の頭を(両手を使って)撫でまわしながら、水無月さんは笑った。
夏の太陽みたいだなあと、思った。
「……わかりましたよ」
致し方なく、という風に俺はうなずく。
すると水無月さんは、「やったー!」と万歳をする。
子供みたいに喜ぶ水無月さんに、つられて俺も笑った。


