あった。
「…………。」
ちゃんと居た。
「…………。」
しかも寝てた。
「…………。」
そりゃ静かにもなりますよね。っていう。
呆れと言うかなんというか、とにかくそんな感情を視線に含ませ、水無月さんを密かに睨んだ。
……本当、この人は。と思う。
ホラー映画超楽しんでたんじゃないんですか。とか。
さっきのはしゃぎようはなんだったんですか。とか。
なんで寝ちゃってるんですか。っていうか俺が居る時にことごとく寝落ちしてる気がするんですけど気のせいですか。
とか。
言いたいことは山ほどあったし、もちろん言いたかったけれど。
――…とんっ。
と。
右肩に寄り掛かってきた水無月さんを見たら、なんだか言う気力が消えてしまった。
水無月さんに吸い取られたんじゃないかと勝手に思う。
人の気力を奪うとか、やめてほしい。すごく。


