水無月さんの部屋を出る。時刻は午前2時に近かった。
「…………」
頑張って起きていたけれど、アルコールも入っていい感じに眠い。
しかし部屋に戻れば、残してきた課題が待っている。
「…………」
正直、自分なにやってんだろうと思う。
水無月さんの愚痴を聞くだけ聞いて、水無月さんが眠ったら部屋に戻る。
なんだかこれ、泣き止まない子供をあやして、寝かしつけてリビングへ戻る母親とか、そんな感じに似てるかも。
「…………」
たぶん今日も、このまま部屋に戻ったらベッドに直行だし、朝起きたら課題が残ってて憂鬱になるんだろうし。
それでも隣の部屋のドアが朝早くに開く音がすれば、なんとなく安心するんだろうし。
「…………」
いい加減引っ越したい、なんて思ったことも多々あるけど、それでもやっぱりこうやって、仕事帰りの水無月さんが訪ねてきて、一緒にビールとか飲みながら、なんだかんだと話をするこの生活が。
実を言うと、居心地が良かったりするもので。
「…………」
なんだかなーと思いながらも、噛み殺せない欠伸をひとつして。
俺は自分の部屋のドアノブを捻った。


